第2章 最初から作成の手順
この章では、第1章のパターン1「最初から作成」でアプリを作る手順を、画面の流れに沿って説明します。この章を読むと、アプリの新規作成から、種類の選択、編集画面を開いて公開するまでの一連の操作が分かります。
- この章の手順を実際に試すには、章末の「次に進む」から「チュートリアル 簡単なAIチャットアプリ作成」に進んでください。この章と同じ流れで、「スタジオでのアプリ作成」「種類の選択」「ノードの追加」「プレビューでの確認」を画面で行います。
- ノードの細かい配置・接続・設定の操作は第7章で説明します。
- 画面の名称・配置はバージョンや環境により異なることがあります(序章「本書の確認環境」参照)。
2-1. 「最初から作成」を選ぶ
前提:Difyにログインしていること。
- ワークスペースのメニューから「スタジオ」を開きます。
- 左上の「アプリを作成する」の「最初から作成」ボタンを押します。作成方法には、ほかにDSLファイルのインポートがあり、環境によってはテンプレートから作成する選択肢もあります(第1章)。選択肢の文言・構成は環境やバージョンにより異なります。

図2-1 スタジオでアプリ作成するの「最初から作成」を選びます
最初から作成ボタンを押すとアプリの種類と名前を入力する画面が表示されます。
2-2. アプリの種類を選ぶ
作成画面で、アプリの種類を5つ(チャットボット・チャットフロー・ワークフロー・エージェント・テキストジェネレーター)から選びます。ここが最初の重要な選択です。
チャットボット・チャットフロー・ワークフローは下の「初心者向けの基本的なアプリタイプ」をクリックすると表示されます。
図2-2 アプリ作成画面で、5つのアプリ種類から選ぶ。チャットボット・チャットフロー・ワークフロー・エージェント・テキストジェネレーター
選び方の例を2つ挙げます。
- 毎日決まった時刻に文書を集計したい場合:決まった時刻に自動で実行するしくみ(スケジュールトリガー)を使えるのはワークフローだけなので、ワークフロー を選びます(序章0-2「ワークフローの動かし方」)。
- 申請の相談を聞き取りながら進めるアプリを作りたい場合:会話のやりとりを続け、前の回答を踏まえて次の質問をするので、チャットフロー を選びます。
種類ごとの違いと選び方の目安は、序章0-2と第1章の比較表を参照してください。迷ったら、作りたいアプリが「会話をするか」「何かをきっかけにして、自動で動かしたいか」の2点から考えます。 アプリの種類に関しては以下を参照ください [[0_序章_Difyの全体像#0-2. アプリの種類]]
2-3. アプリ名と説明を入力する
同じ作成画面で、アプリ名と説明(任意)を入力して作成します。
名前と説明の付け方の目安は次のとおりです。
| 項目 | 良い例 | 避けたい例 |
|---|---|---|
| アプリ名 | 日次レポート集計、補助金申請の聞き取り | アプリ1、自動処理(後から見て何か分からない) |
| 説明 | 毎朝、各課の日報を集計して担当係にメールで知らせるワークフロー | 自動化ツール(何の自動化か分からない) |
説明を書いておくと、数か月後に見返したときや、他の職員が引き継ぐときに、何のアプリかがすぐ分かります。
完了状態:アプリが作成され、そのアプリの編集画面が開いている。
2-4. 編集画面が開く
作成すると、選んだ種類に応じた編集画面が開きます。画面の構成は種類によって異なります。
- チャットボット・テキストジェネレーターの場合:設定中心の画面が開きます。画面は主に次の3つで構成されます。
- 指示文(プロンプト)を書く欄:AIモデルに、どう答えてほしいかを指示します。
- 「コンテキスト」欄:ナレッジ(保管庫)をつないで、回答の根拠になる知識をAIモデルに与えます。
- 「デバッグとプレビュー」:作ったアプリをその場で動かして、応答を画面で確かめます。

- ワークフロー・チャットフローの場合:キャンバス(ノードを並べて線でつなぐ作業領域)が開きます。ノードを追加・接続して処理の流れを組み立てます。
図2-3 ワークフローを作成した直後の編集画面。キャンバスにユーザー入力ノードだけが置かれた状態
各欄の名称・配置はバージョンにより異なることがあります。本書では、ノードの操作を第7章、アプリ内の画面の切り替え(編集画面・APIアクセス・ログなど)を第9章で説明します。
2-5. ノードを配置してつなぐ(概要)
ワークフロー・チャットフローでは、キャンバスにノードを追加し、線でつないで処理の流れを作ります。
キャンバス左側のツールバー
キャンバスの左側に、操作ボタンをまとめたツールバーが表示されます。上から順に次の操作ができます(ボタンに表示される名称は、環境やバージョンにより異なることがあります)。
| ボタン(アイコン) | できること |
|---|---|
| +(丸に十字) | ノードを追加する。クリックするとノードの一覧が開きます |
| メモ(付箋にペン) | キャンバスにメモ(説明書き)を置く。後から見る人への注意書きに使えます。処理の動きには影響しません |
| 矢印(ポインターモード) | クリックでノードを選択・移動する、通常の操作モード |
| 手のひら(ハンドモード) | ドラッグでキャンバス全体をつかんで動かす。広いワークフローの別の場所を見るときに使います |
| 整列(四角が並んだ形) | ノードの並びを自動で整える |
| 全体表示(四隅の枠) | ワークフロー全体が画面に収まるように表示を調整する |
| …(3つの点) | そのほかの操作をまとめたメニュー。内容は環境やバージョンにより異なります |
配置の手順
- 作りたい処理の流れを確認します(例:入力を受け取る → ナレッジから根拠を探す → LLMで文章を作る → 出力する)。
- キャンバスにノードを1つ追加します。
- 前のノードと線でつなぎます。
- ノードの設定(使うモデル、参照する変数など)を入力します。
- 2〜4を繰り返して流れを完成させます。
ノードの追加・接続・設定・削除・複製の具体的な操作と、ノード間のデータ(変数)の受け渡しは、第7章で説明します。
図2-5 「最初から作成」の全体フロー。スタジオで作成 → 種類選択 → ノード配置 → テスト実行 → 公開
2-6. テスト実行で動きを確かめる
ノードの配置ができたら、公開する前にテスト実行で動きを確かめます。

- 編集画面右上のボタンを押して実行します。ワークフローの場合、本書の確認環境ではボタン名は「プレビュー」と表示されます(バージョンによっては「テスト実行」「実行」の表示もあります)。対話型のアプリでは「デバッグとプレビュー」で試します。
- 入力が必要なアプリでは、試したい値を入力します。
- 実行結果と、各ノードが成功したかを確認します。
- エラーが出たノードは、設定と入力データを見直して再実行します。
エラーの切り分け方は第7章(テスト実行とデバッグ)と第14章(トラブルシューティング)で説明します。
2-7. 公開する
テスト実行で動きを確認できたら、アプリを公開します。公開すると、作った本人以外も利用できるようになります。
公開の操作は次のとおりです。
- 編集画面右上の「公開する」を押します。
- 開いたメニューの「更新を公開」を押すと、いまの内容が公開されます。あとから内容を変更した場合も、もう一度「更新を公開」を押すまで、公開版には反映されません。
公開後は、同じメニューから次の操作ができます(本書の確認環境の表示。項目の名称・有無はアプリの種類やバージョンにより異なります。詳しい操作は第9章・第11章で説明します)。
| メニューの項目 | 内容 |
|---|---|
| アプリを実行 | 公開されたWebアプリを、発行されたURLでブラウザで開いて使う |
| サイトに埋め込む | 既存のWebサイトにチャット画面などを組み込む |
| 探索ページで開く | ワークスペースの「探索」でこのアプリを開く |
| APIリファレンス | 外部のシステムから機能を呼び出す窓口(API)として使うための説明ページを開く |
このほか、環境によっては、AIアプリ・AIツール同士をつなぐ共通規格(MCP)で外部のAIツールから呼び出せるようにする公開の形(MCPサーバー)もあります。
図2-4 編集画面から公開の操作を行い、公開の形(Webアプリ・埋め込み・APIなど)が表示された画面
どの形で誰に使わせるかは、所属のルール(外部公開の可否、個人情報の扱い)に従って決めてください。
2-8. よくあるつまずきと確認箇所
| つまずき | 確認箇所 |
|---|---|
| テスト実行で「変数が見つからない」というエラーが出る | 前のノードが値を出力しているか、次のノードで参照する変数名が合っているかを確認します(変数の受け渡しは第7章) |
| スケジュールトリガーを設定したのに動かない | トリガーを使えるのはワークフローだけです。スケジュールトリガーが1つだけ設定されているか、時刻・間隔の設定を確認します。それでも動かない場合は第14章へ |
| ノードのつなぎ方・削除のしかたが分からない | ノードの接続・削除・複製の操作は第7章で説明します |
| 公開したのに相手が使えない | 公開の形とURLの共有先を確認します。アプリの管理画面は第9章、公開後の運用は第14章へ |
まとめ:「最初から作成」の流れ
- スタジオの「アプリを作成する」から「最初から作成」を選ぶ。
- アプリの種類を選ぶ(会話をするか、何かをきっかけにして自動で動かしたいかで考える)。
- アプリ名と説明を入力して作成する。
- 編集画面でノードを配置し、線でつなぐ(第7章)。
- テスト実行で動きを確かめる。
- 公開して利用を始める。
次に進む
- 実際に手を動かして試す場合は、「チュートリアル 簡単なAIチャットアプリ作成」(2.1_チュートリアル_簡単なAIチャットアプリ作成.md)に進んでください。
- 続けてワークフローをゼロから組む場合は、「チュートリアル やさしい日本語ワークフロー作成」(2.2_チュートリアル_やさしい日本語ワークフロー作成.md)に進んでください。
- テンプレートから作る手順は、第8章 テンプレートから作成の手順で説明します。
- 手順4のノードの配置と接続の操作は、第7章 ノードの配置と接続で詳しく説明します。
出典一覧
本章の記述の根拠です(いずれも確認日:2026-08-14)。
| 内容 | 出典 |
|---|---|
| スタジオからの作成(「空白から作成」)・キャンバス・テスト実行・ノードの例 | https://docs.dify.ai/ja-jp/guides/application-orchestrate/creating-an-application |
| 画面名(スタジオ・ナレッジ・コンテキスト・デバッグとプレビュー) | https://docs.dify.ai/ja-jp/guides/knowledge-base/integrate-knowledge-within-application |
| チャットボットの編集画面(指示文・変数・デバッグとプレビュー) | https://docs.dify.ai/en/cloud/use-dify/build/chatbot.md |
| 公開の4形式(Webアプリ・API・サイト埋め込み・MCPサーバー) | https://docs.dify.ai/en/cloud/use-dify/publish/README.md |
| トリガーはワークフローのみ・スケジュールトリガーは1つまで | https://docs.dify.ai/en/cloud/use-dify/nodes/trigger/overview.md / https://docs.dify.ai/en/cloud/use-dify/nodes/trigger/schedule-trigger.md |
| DSLファイルのインポート・エクスポート | https://docs.dify.ai/en/guides/management/app-management |