チュートリアル やさしい日本語ワークフロー作成

このチュートリアルでは、お知らせ文を入力すると 「やさしい日本語」に書き換えて返すワークフロー を作ります。ここでの「やさしい日本語」は、難しい言葉を避け、一文を短くして伝わりやすくした日本語の書き方を指します。書き換えの内容は、この後 LLM ノードに書く指示文で決めます。

このチュートリアルでは、AIモデルに Gemini 3.5 Flash-Lite を使います。 お使いの環境で同じモデルが選べないときは、AIモデルの一覧から選べるモデルに読みかえてください(モデルの選び方は第4章4-2)。

前の「チュートリアル 簡単なAIチャットアプリ作成」では、最初から置かれたノードの構成をそのまま使いました。今回は、ノードを自分で置いて、線でつなぐところから 体験します。所要時間は約 15 分です。目標は「ワークフローをゼロから組み、入力欄(変数)を自分で定義して、指示文に差し込む」体験をすることです。

0-0. このチュートリアルについて

このチュートリアルは、第 2 章「最初から作成の手順」と「チュートリアル 簡単なAIチャットアプリ作成」を終えた方向けです。次の 3 つを学びます。

画面の細かい操作(ノードの追加・接続・変数の受け渡し)の詳しい説明は、第 7 章(ノードの配置と接続)で扱います。ここでは「ゼロから組んで動かす」流れを掴むことが目標です。

0-1. 準備するもの

前のチュートリアルと同じ準備が必要です。

モデルが選べない・応答が返らない場合は、ワークスペースの所有者または管理者に確認してください。

0-2. 5 ステップでやさしい日本語ワークフローを作る

では、実際に作ってみましょう。完成形は「お知らせ文を入力 → LLM がやさしい日本語に書き換え → 結果を返す」という、3 つのノードの流れです。

ステップ 1:ワークフローを新規作成する

  1. ワークスペース画面で左メニューの「スタジオ」を開き、左上の「アプリを作成する」の「最初から作成」ボタンを押します(第 2 章 2-1)。
  2. アプリの種類で「ワークフロー」を選びます。前のチュートリアルではチャットフローを選びましたが、今回は会話のやりとりではなく「入力 → 変換 → 結果」の一方向の処理なので、ワークフローを選びます(種類の違いは序章 0-2)。
  3. アプリ名に「やさしい日本語変換」と入力し、「作成」ボタンをクリックします。
  4. 「開始するには開始ノードを選択してください」というダイアログが表示されます。「ユーザー入力(元の開始ノード)」を選んでください。もう 1 つの「トリガー」は、決まった時刻や外部からの合図で自動実行するときに使う開始のしかたです(序章 0-2)。

ワークフロー作成直後に表示される「開始するには開始ノードを選択してください」のダイアログ

完了した状態:キャンバスに、ユーザー入力(開始)ノードが 1 つ置かれています。前のチュートリアル(チャットフロー)と違って LLM や出力のノードはまだ無く、ここから自分で組み立てます。

ステップ 2:入力欄(変数)を作る

次に、利用者がお知らせ文を入力するための欄を作ります。ここで作る入力欄は「変数」(ノードの間で値を受け渡すための入れ物。序章の用語集)になり、後ろのノードから使えます。公開したときに利用者がWebアプリで入力する欄も、ここで決まります。

  1. キャンバスのユーザー入力ノードをクリックして、設定欄を開きます。
  2. 入力フィールド(変数)を 1 つ追加し、次のとおり設定します。
項目 設定する値
変数名 notice と入力する
表示名 お知らせ文(利用者に表示される名前です)
型(種類) 段落(長文を貼り付けられる型)

※欄の名称・並び・操作は、環境やバージョンにより異なることがあります。

ユーザー入力ノードの設定欄で、変数名 notice・表示名「お知らせ文」・段落型の入力フィールドを追加した状態

完了した状態:ユーザー入力ノードに、「お知らせ文」という段落型の入力欄が 1 つ定義されています。

ステップ 3:LLM ノードを追加して指示文を書く

  1. ユーザー入力ノードの端(右側)の「+」を押し、ノードの一覧から「LLM」を選びます。LLM ノードが追加され、ユーザー入力ノードと線でつながります(ノードの追加・接続の操作は第 7 章 7-2・7-3)。

  2. LLM ノードをクリックし、「AIモデル」欄で、お使いの環境で使えるモデルが選ばれていることを確認します(選ばれていない場合は選びます)。

  3. 「SYSTEM」欄に、次の指示文を入力します。

    あなたは自治体の広報担当です。入力されたお知らせ文を、外国人住民にも伝わる『やさしい日本語』に書き換えてください。難しい言葉を避け、一文を短くし、大切な情報(日時・場所・持ち物)は箇条書きにしてください。

  4. 指示文の続きに、書き換える対象のお知らせ文(ステップ 2 で作った変数)を差し込みます。指示文の末尾で改行し、「{」(または「/」)を入力すると変数の候補一覧が表示されるので、notice を選びます。差し込まれると {{notice}} という形(変数名を二重の波かっこで囲んだ形。第 7 章 7-3)で入ります。

LLMノードの設定欄。SYSTEM欄に指示文と、差し込まれた変数 notice が表示された状態

完了した状態:LLM ノードでモデルが選ばれ、SYSTEM 欄に指示文と {{notice}} が入っています。

ステップ 4:出力ノードをつなぐ

処理の結果を返す出口を作ります。

  1. LLM ノードの端(右側)の「+」を押し、ノードの一覧から出力ノード(ワークフローの処理結果を返すノード。第 10 章 10-2)を選んで追加します。LLM ノードと線でつながります。
  2. 出力ノードの設定で、出力する変数に LLM ノードの結果(生成した文章。変数 text)を選んで割り当て、名前(例:result)を付けます。

ユーザー入力 → LLM → 出力の3ノードが線でつながったキャンバス

完了した状態:「ユーザー入力 → LLM → 出力」の 3 つのノードが線でつながっています。

ステップ 5:プレビューで動かす

  1. 画面右上の「プレビュー」を押します。

  2. 「お知らせ文」の入力欄に、試したいお知らせ文を貼り付けて実行します。手元に無い場合は、次の架空の例文を使えます。

    ごみ収集日の変更のお知らせ
    
    祝日にともない、10月の燃やせるごみの収集日を変更します。
    10月13日(月)の収集は、10月14日(火)に振り替えます。
    当日は朝8時30分までに、決められた集積所にお出しください。
    分別のルールは通常どおりです。ご不明な点は、ごみ収集の担当課までお問い合わせください。
    
  3. 少し待って、やさしい日本語に書き換えられた文章が返ってきたら成功です。書き換えの結果はAIモデルや設定により変わるため、返る文章は毎回同じではありません。「難しい言葉が言い換えられているか」「日時などの大切な情報が箇条書きになっているか」を確認してください。

プレビューで例文を入力し、やさしい日本語に書き換えた結果が返った画面

完了した状態:入力したお知らせ文が、やさしい日本語に書き換えられて返っています。

結果の見かた:テスト実行の結果パネルには「入力」「結果」「詳細情報」「実行追跡」のタブがあります。「実行追跡」タブを開くと、ノードごとに成功したかどうかと所要時間が並びます。 行をクリックすると、そのノードに入ってきた値と出した値も確認できます。エラーが起きたノードはキャンバス上で赤く表示されるので、そのノードを開いて「最後の実行」タブを見ると、エラーの内容が分かります(詳しくは第4章4-3・第7章7-5)。

うまくいかないときは、次を確認してください。

症状 確認箇所
「変数が見つからない」という趣旨のエラーが出る 指示文に差し込んだ変数がステップ 2 で作った変数(notice)と合っているか、ノードが線でつながっているかを確認します(第 7 章 7-3・7-4)
応答が返らない・モデルのエラーが出る LLM ノードでモデルが選ばれているかを確認します。選べるモデルが無い場合は、ワークスペースの所有者または管理者に確認してください(0-1)

0-3. できました!

おめでとうございます!今作ったものが、ゼロから組んだワークフローです。

ここで確認したこと:

前のチュートリアル「簡単なAIチャットアプリ作成」は最初から置かれた構成を動かす体験、今回はゼロから組む体験です。この 2 つで、「最初から作成」の基本操作は一通り体験できました。

これからの学習の進め方:

  1. 第 8 章 では、もう 1 つの作り方「テンプレートから作成」の手順を学びます。続く「チュートリアル テンプレートから作成」で、実際に試せます。
  2. 第 7 章 では、ノードの配置・接続・設定の細かい操作を詳しく説明します。

次は、第 8 章 テンプレートから作成の手順 に進み、そのあと チュートリアル テンプレートから作成 を試してください。


トラブルが出た場合

出典一覧

本チュートリアルの記述の根拠です(確認日は各行に記載)。

内容 出典
スタジオからアプリを作成する流れ https://docs.dify.ai/en/quick-start.md(「Go to Studio, then select Create from Blank」。確認日:2026-08-27)
「/」の入力で変数の候補一覧を表示して差し込めること https://docs.dify.ai/en/learn/key-concepts.md(「by typing / slash, and selecting the desired variable」。確認日:2026-09-02)
ユーザー入力ノードの 2 つのモード(ユーザー入力=人やAPI呼び出しで動かす/トリガー=自動で動かす) https://docs.dify.ai/en/cloud/use-dify/nodes/start.md(確認日:2026-09-02)
ユーザー入力ノードの入力欄(追加した欄が変数になり、後ろのノードから参照できる・型に「段落」がある・表示名は利用者に表示される) https://docs.dify.ai/en/cloud/use-dify/nodes/user-input.md(確認日:2026-09-02)
LLM ノードのプロンプトに {{変数名}} の形で変数を差し込む・LLM ノードの出力変数 text https://docs.dify.ai/en/cloud/use-dify/nodes/llm.md(「Reference workflow variables in prompts using double curly braces」。確認日:2026-09-02)

※次の点は、公式ドキュメント(docs.dify.ai)では確認できなかったため、実機確認(確認日:2026-09-02・クラウド版)を根拠としています:アプリの作成が画面左上の「アプリを作成する」から行えること/ワークフローを作成すると「開始するには開始ノードを選択してください」というダイアログが表示され、「ユーザー入力(元の開始ノード)」「トリガー」から選ぶこと/実行ボタンの表示が「プレビュー」であること/SYSTEM 欄に、変数を挿入するには「{」を入力する旨の案内が表示されること/ノードの端やノードをつなぐ線の上に表示される「+」からノードを追加できること。画面の名称・構成はバージョンにより変わることがあります(序章「本書の確認環境」参照)。