チュートリアル 簡単なAIチャットアプリ作成

このチュートリアルでは、簡単なAIチャットアプリを作ります。入力欄に「こんにちは」と打つと、AIが応答を返してくれる、いちばん小さな構成のアプリです。

これから作る簡単なAIチャットアプリのイメージ

このチュートリアルでは、AIモデルに Gemini 3.5 Flash-Lite を使います。 お使いの環境で同じモデルが選べないときは、AIモデルの一覧から選べるモデルに読みかえてください(モデルの選び方は第4章4-2)。

第 2 章「最初から作成の手順」を読んだあと、ここで手を動かしながら「ノード」がどんなものか確認できます。アプリの種類は チャットフロー を使います。会話のやりとりをするアプリを作るためです(種類ごとの違いは序章 0-2 を参照してください)。所要時間は約 10 〜 15 分です。目標は「まず動かし、指示文で応答を変え、ノードを 1 つ足す」の 3 つを体験することです。

0-0. このチュートリアルについて

このチュートリアルは、第 2 章「最初から作成の手順」を読んだ方が、実際に画面を操作してみるための 3 ステップです。第 2 章で読んだ手順を、実際にやってみます。最後には、「ノードをつなぐとこうなるのか」という実感が得られます。

0-1. 準備するもの

このチュートリアルを進めるには、次が必要です。

一般に、DifyでAIモデルを使うには、OpenAI API キーなどをワークスペースの「モデルプロバイダー」に登録する必要があります。ただし、本書が想定する庁内での利用では、この登録は管理者があらかじめ済ませているため、自分でAPIキーを取得・設定する作業は不要です。登録済みのモデルをそのまま使ってください。モデルが選べない・応答が返らない場合は、ワークスペースの所有者または管理者に確認してください。

0-2. 3 ステップで簡単なAIチャットアプリを作る

では、実際に作ってみましょう。完成形は「利用者が何かを入力 → LLM が応答を生成 → 回答を表示」という、チャットの 1 往復ができる最も基本的な形です。

ステップ 0:ログインする(準備)

3 ステップに入る前の準備です。すでにログインしている場合は、ステップ 1 に進んでください。

ログイン画面
  1. お使いの環境の情報担当部署から案内された URL を、ブラウザで開きます。クラウド版(Dify Cloud)の URL は cloud.dify.ai です。庁内に置いた環境では、案内された URL を開きます。
  2. ログイン画面で、メールアドレスとパスワードを入力し、ログインします。メールアドレスとパスワード以外の方法(組織のアカウントでのログインなど)を使う環境では、お使いの環境の案内に従ってください。

完了した状態:ワークスペースの画面が開き、左側に「スタジオ」「ナレッジ」などのメニューが表示されています。

アカウントが無い、またはログインできない場合:ワークスペースの所有者または管理者に、招待(アカウントの発行)を依頼してください。メンバーの追加は所有者・管理者の作業で、招待の案内はメールで届きます。招待の案内には有効期限(72 時間)があるため、届いたら早めに手続きしてください。

ステップ 1:アプリを作ってそのまま動かす

まず、アプリを作り、何も手を加えずに動かしてみます。

  1. ステップ 0 でログインしたワークスペース画面で、左メニューの「スタジオ」を開きます。
  2. 左上の「アプリを作成する」の「最初から作成」ボタンを押します。
  3. アプリの種類を選ぶ画面が出ます。ここで「チャットフロー」を選んでください。会話のやりとりをするアプリを作るためです。
  4. アプリ名を入力します。ここでは「テスト 01」と入力してください。(何でもよいですが、後から見て何か分かるような名前がお勧めです)
  5. 「作成」ボタンをクリックします。

アプリを作成する画面 スタジオの「アプリを作成する」で「最初から作成」を選ぶところ

  1. 編集画面が開きます。キャンバスを見てください。「スタート(ユーザー入力)→ LLM → 回答」の 3 つのノードが、最初から線でつながった状態で置かれています。LLM ノードには、使うAIモデルも設定済みです。

チャットフロー作成直後の編集画面。スタート(ユーザー入力)→ LLM → 回答の3ノードが線でつながっている状態

ここが 1 つ目の学びです。この 3 つのノードだけで、「利用者の入力を受け取る → LLM が応答を生成する → 回答を返す」というチャットの 1 往復ができています。

  1. 何も変えずに、画面右上の「プレビュー」を押します。
  2. 表示された入力欄に「こんにちは」と入力して送信します。少し待って、AIの応答が返ってきたら成功です。

プレビューで「こんにちは」に応答が返った画面

完了した状態:何も手を加えていないアプリが、プレビューで「こんにちは」に応答を返しています。

ステップ 2:LLM ノードの中を見て、指示文(プロンプト)で応答を変える

次に、このアプリの中心である LLM ノードの中を見てから、AIモデルへの指示文(プロンプト)を書いて、応答の変わり方を確かめます。

  1. キャンバスの「LLM」ノードをクリックします。右側に設定パネルが開きます。

  2. まず、設定パネルの主な欄を確認します。ここを掴んでおくと、この後の操作の意味が分かります。

    何をする欄か
    AIモデル 応答を作るAIモデルを選ぶ欄。庁内では、登録済みのモデルから選びます(0-1 参照)
    SYSTEM 指示文(プロンプト)を書く欄。アプリの役割・答え方をここで決めます
    USER 利用者の入力がAIモデルに渡る部分。最初から「query」(利用者の入力文)が設定されています
    コンテキスト ナレッジ(保管庫)をつないで、回答の根拠を与える欄。本チュートリアルでは使いません(知識検索は第5章で説明します)
    メモリ 前のやりとりを覚えたまま応答させる設定。チャットフローが会話を続けられるのは、この設定によります

    各欄の詳しい意味と、このほかの設定項目は、第 10 章(LLM ノード)で説明します。

  3. 設定パネルの「SYSTEM」欄(「ここにプロンプトワードを入力してください」と表示されている欄)に、指示文を書きます。例として、次のように入力してください。

    あなたは庁内の案内係です。敬語で、3行以内で答えてください。

  4. もう一度「プレビュー」を押し、「こんにちは」と入力します。ステップ 1 のときと応答の調子がどう変わったかを確かめてください。

LLMノードの設定パネル。SYSTEM欄に指示文を入力した状態

ここが 2 つ目の学びです。アプリの性格(話し方・答え方)は、指示文で決まります。指示文の書き方の詳細は、第 10 章(LLM ノード)と第 12 章で説明します。

完了した状態:指示文に合わせて、応答が敬語・短めに変わっています。

ステップ 3:ノードを 1 つ足してみる

最後に、ノードを 1 つ追加して、「前のノードの出力を次のノードが使う」ことを体験します。応答の末尾に、固定の一文を付けてみます。

  1. キャンバスの「LLM」と「回答」をつなぐ線の上にマウスを載せると、「+」ボタンが表示されます。これを押すと、この位置にノードを追加できます。
  2. ノードの一覧から「テンプレート」を選びます。LLM と回答の間にテンプレートノードが挟まります。
  3. テンプレートノードの設定で、LLM の出力(生成された文章)を受け取る変数を追加し、本文にその変数{{ arg1 }}と固定の一文(例:「※この回答はAIによる自動応答です」)を書きます。
  4. 「回答」ノードをクリックし、参照する変数を LLM の出力からテンプレートの出力に切り替えます。回答ノードは指定した変数の中身を表示するため、この切り替えが必要です(変数の受け渡しの詳細は第 7 章で説明します)。
  5. 「プレビュー」で「こんにちは」と入力し、応答の末尾に固定の一文が付いていたら成功です。

テンプレートノードを挟んだキャンバスと、末尾に固定の一文が付いた応答

うまくいかない場合は、追加したテンプレートノードを削除して「LLM」と「回答」をつなぎ直せば、元の 3 ノードの構成に戻せます。壊してしまう心配はいりません。

ここが 3 つ目の学びです。ノードは線の上の「+」から追加でき、前のノードの出力を次のノードが受け取って使います。

完了した状態:応答の末尾に固定の一文が付くアプリができています。

0-3. できました!

おめでとうございます!今作ったものが、チャットフローで作った簡単なAIチャットアプリです。

ここで確認したこと:

これからの学習の進め方:

  1. チュートリアル やさしい日本語ワークフロー作成 では、今度はワークフローを、ノードが無い状態から自分で組みます。ここで体験したノードの追加・接続を、最初から自分で行います。
  2. 第 8 章 では、もう 1 つの作り方「テンプレートから作成」の手順を学びます。続く「チュートリアル テンプレートから作成」で、実際に試せます。
  3. 第 7 章 では、ノードの配置・接続・設定の細かい操作を詳しく説明します。

次は、チュートリアル やさしい日本語ワークフロー作成 に進み、ゼロから組む体験をしてください。そのあと 第 8 章 テンプレートから作成の手順チュートリアル テンプレートから作成 で、もう 1 つの作り方を試せます。ここで作ったアプリと比べながら読むと、作り方の違いが分かります。

完成したアプリの全体図。スタート(ユーザー入力)→ LLM → テンプレート → 回答の流れ


トラブルが出た場合

出典一覧

本チュートリアルの記述の根拠です(確認日は各行に記載)。

内容 出典
クラウド版の URL(cloud.dify.ai) https://docs.dify.ai/en/quick-start.md(確認日:2026-08-27)
メンバーの追加は所有者・管理者が行う。招待の案内はメールで届き、有効期限は 72 時間 https://docs.dify.ai/en/cloud/use-dify/workspace/team-members-management.md(確認日:2026-08-27)
ワークスペース画面のメニュー名(「スタジオ」「ナレッジ」) https://docs.dify.ai/ja-jp/guides/knowledge-base/integrate-knowledge-within-application(本文「ナレッジ にアクセスし」「スタジオ にアクセスし、アプリを作成」。確認日:2026-08-27)
スタジオからアプリを作成する流れ https://docs.dify.ai/en/quick-start.md(「Go to Studio, then select Create from Blank」。確認日:2026-08-27)
LLM ノードの SYSTEM(システム指示)欄に指示文を書く https://docs.dify.ai/en/quick-start.md(「In the system instruction field, paste the following」。確認日:2026-09-02)
LLM ノードの設定項目(モデル選択・システム/ユーザーの指示文・コンテキスト・メモリ) https://docs.dify.ai/en/cloud/use-dify/nodes/llm.md(確認日:2026-09-02)

※ログイン画面の入力項目(メールアドレス・パスワード)や、組織のアカウントでのログインの有無は、上記の確認日時点の公式ドキュメントでは確認できませんでした。本チュートリアルでは断定せず、お使いの環境の案内に従う旨を記載しています。

※次の点は、公式ドキュメント(docs.dify.ai)では確認できなかったため、実機確認(確認日:2026-09-02・クラウド版)を根拠としています:アプリの作成が画面左上の「アプリを作成する」から行えること/チャットフローを「最初から作成」すると「スタート(ユーザー入力)→ LLM → 回答」の 3 ノードが接続済みで置かれること/ワークフローを選ぶとユーザー入力ノード(ユーザー入力かトリガーか)を選択する画面が出ること/実行ボタンの表示が「プレビュー」であること/LLM ノードの設定パネルの欄の表示名(AIモデル・コンテキスト・SYSTEM・USER・メモリ)と、USER に「query」が設定済みであること/SYSTEM 欄に「ここにプロンプトワードを入力してください」という案内が表示されること/ノードをつなぐ線の上やノードの端に表示される「+」からノードを追加できること。画面の名称・構成はバージョンにより変わることがあります(序章「本書の確認環境」参照)。